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東京高等裁判所 平成5年(行ケ)57号 判決

大阪府守口市寺内町1丁目2番地

原告

セキデン開発商事株式会社

同代表者代表取締役

矢野博

東京都千代田区霞が関3丁目4番3号

被告

特許庁長官

麻生渡

同指定代理人

八巻惺

石田惟久

井上元廣

関口博

吉野日出男

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第1  当事者の求めた裁判

1  原告

「特許庁が昭和63年審判第481号事件について平成5年2月25日にした審決を取り消す。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決

2  被告

主文と同旨の判決

第2  請求の原因

1  特許庁における手続の経緯

原告は、名称を「玩具銃」とする発明について、昭和56年4月25日、特許出願をした(昭和56年特許願第62829号)ところ、昭和62年11月2日、拒絶査定を受けたので、同63年1月9日審判を請求した。特許庁はこの請求を昭和63年審判第481号事件として審理した結果、平成5年2月25日、上記請求は成り立たない、とする審決をし、この審決書謄本を同年4月1日、原告に送達した。

2  特許請求の範囲(3)に記載の発明(以下「本願第2発明」という。)の要旨

「玩具銃銃体を前部銃体と後部銃体に分ち、前部銃体を後部銃体へ内嵌して前進後退自在にし該嵌合部分前部銃体へ発射口とピストン盤体を設け、後部銃体ヘシリンダー室を設けて両者を嵌合し、且つ前記前部銃体、後部銃体と共に前進後退自在にし前記シリンダー室の後部に管を設けて銃体後部への導管としたことを特徴としてなる玩具銃。」(別紙図面1参照)

3  審決の理由の要点

(1)  本願第2発明の要旨は、前項記載のとおりである。

(2)  実用新案登録願昭和50年第57954号の願書に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム、昭和51年実用新案出願公開第139093号公報参照(以下、「引用例」といい、引用例に記載のものを「引用発明」という。)には、図面と共に以下の事項が記載されている。

「水鉄砲玩具銃体を操作管と本体に分ち、操作管を本体へ内嵌して前進後退自在にし、該操作管の先ヘノズルと弁体を有する密閉部材を設けるとともにその密閉部材を操作管と本体の嵌合部分に位置させ、本体へ水管を設けて両者を嵌合し、且つ前記操作管、本体を共に前進後退自在にし、前記水管の後部に可撓管を設けて銃体後部への導管としたことを特徴としてなる水鉄砲玩具」(別紙図面2参照)

(3)  両発明を対比すると、両者は、「玩具銃銃体(引用発明は水鉄砲玩具銃体、以下、括弧内は引用発明のものを示す。)を前部銃体(操作管)と後部銃体(本体)に分ち、前部銃体(操作管)を後部銃体(本体)へ内嵌して前進後退自在にし該嵌合部分前部銃体(操作管)ヘピストン盤体(弁体を有する密閉部材)を設け、後部銃体(本体)ヘシリンダー室(水管)を設けて両者を嵌合し、且つ前記前部銃体(操作管)、後部銃体(本体)と共に前進後退自在にし前記シリンダー室(水管)の後部の管(可撓管)を設けて銃体後部への導管としたことを特徴としてなる玩具銃(水鉄砲玩具)。」の点で一致しており、発射口(ノズル)を設けた位置が、本願第2発明では、嵌合部分前部銃体であるのに対し、引用発明では操作管の先である点で相違している。

(4)  相違点は、発射口(ノズル)を、本願第2発明のように前部銃体と後部銃体の嵌合部分に設けるか、あるいは引用発明のように操作管(本願第2発明では前部銃体)の先に設けるかによっても、明細書の記載では両者の目的、効果に格別の差異は認められず、前記の相違点は当業者の容易に思いつく設計問題にすぎない。

(5)  したがって、本願第2発明は、引用例の記載に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法29条2項により特許を受けることができない。

4  審決の取消事由

審決の理由の要点(1)は認めるが、その余は争う。審決は、引用発明の認定を誤り、一致点を誤認して相違点を看過するとともに相違点に対する判断を誤り、本願第2発明の進歩性の判断を誤った違法があるから、取消しを免れない。

(1)  一致点の誤認(取消事由1)

審決は、引用発明の操作管は前部銃体に、本体は後部銃体に当たるとして、引用例には、銃体を前部銃体と後部銃体に分かつ玩具銃銃体が開示されているとし、この構成において両発明は一致するとしたが、引用発明の操作管、本体がそれぞれ本願第2発明の前部銃体、後部銃体に当たるとすることはできないので、両発明が上記構成の点において一致するとした審決の認定は誤っている。

(2)  相違点に対する判断の誤り(取消事由2)

発射口(ノズル)を本願第2発明のように、前部銃体と後部銃体の嵌合部分に設ける構成と引用発明のように、操作管の先に設ける構成では、発射する水の飛ぶ距離において、本願第2発明の方が引用発明より格段の威力を有するとの効果を奏する。すなわち、本願第2発明においては、発射口をシリンダー室の奥深くすばやく入り得る構成とすることによって最後の少量に至るまで水圧損失なく良好な水発射を可能とする。これに対し、引用発明においては、弁孔6、連絡孔11の連通を必要とするばかりでなく、細長い管8の先端に発射口を設けているので水圧力損失を避けることができない。また、細長い管8は当然に強度が弱く、まっすぐな水発射を困難にすることは当然である。以上の相違の結果、本願第2発明は、引用発明に比して、格段に優れた効果を奏するものであるのに、審決は、本願第2発明のこの顕著な効果を看過し、相違点に関する本願第2発明の構成を単なる設計問題にすぎないとして、その判断を誤ったものである。

第3  請求の原因に対する認否及び被告の主張

請求の原因1ないし3は認めるが、同4は争う。審決の認定判断は正当である。

1  取消事由1について

引用例の明細書及び図面の記載をみると、明細書には、(a)「この考案は、本体2の先に挿着した操作管8を前後に進退運動させることによって、操作管8の先のノズルから水を噴射させるようにしたもので、操作管8の摺動運動を繰返し行なうことによって水は連続して噴出できる」(明細書1頁末行ないし2頁4行、なお、数字は参考のために付したものである。)と記載され、図面には、(b)「操作管8を本体2へ内嵌する」(第1図)、(c)「操作管8と本体2とは、本体2の先端に設けたキャップ状の閉鎖部材を取り外すことによって分割することができる」(第1図)ことが記載されている。

以上の引用例の記載からみて、引用例の水鉄砲玩具銃体は、操作管8を本体2に内嵌し、操作管8と本体2は相互に前進後退できるように分けられており、しかも、操作管8と本体2とは分割することもできるものである。

したがって、引用発明の操作管が本願第2発明の前部銃体に相当し、同じく本体が後部銃体に相当するとし、両者はこの点で一致するとした審決の判断は正当であり、原告主張のような一致点の誤認はない。

2  取消事由2について

本願第2発明の効果について、本願明細書の記載をみると、発射口を、前部銃体と後部銃体の嵌合部分に設けたことの作用効果については、発射する水の飛ぶ距離を含めて何らの記載もない。したがって、発射する水の飛ぶ距離において本願第2発明の方が引用発明より格段の威力を有するとの原告主張の効果は、本願明細書に何ら開示されていない作用効果であり、原告の主張は、明細書の記載に基づかない主張であるから、失当である。また、原告は、両者は水圧力損失において差異があると主張するが、水圧力損失においても差異はないから、この点に関する主張も失当である。

したがって、発射口を設ける位置の相違によって、両発明の目的、効果に差異は認められず、相違点は当業者の容易に思いつく設計の問題にすぎないとした審決の判断に誤りはない。

第4  証拠

証拠関係は書証目録記載のとおりである。

理由

1  請求の原因1ないし3は当事者間に争いがない。

2  本願第2発明の概要

成立に争いのない甲第2号証(本願明細書)及び乙第1号証(昭和63年1月9日付け手続補正書)によれば、本願第2発明の目的、構成、効果は以下のとおりと認められる。

すなわち、本願第2発明は、いわゆる水鉄砲に係る玩具銃であり、従来の玩具銃は、一般的に1本の手指で引き金を引き、水等を発射する構造であるため、引き金の作動操作が1本の手指の長さに制約されるという問題点を有していた。そこで、上記のような従来の玩具銃の構造を基本的に改めることを課題(目的)とし(明細書2頁右下欄6行ないし11行)、本願第2発明の特許請求の範囲(3)記載の構成(前記手続補正書3頁4行ないし11行)を採択したことにより、引き金の作動操作を適宜必要とする作動操作長さに自在に設定することができるとの効果を奏するようにしたものである(明細書3頁右上欄12行ないし15行)。

3  取消事由について

(1)  取消事由1について

原告は、審決は引用発明の認定を誤り、一致点を誤認したと主張するので、以下、検討する。

まず、本願第2発明についてみると、前掲甲第2号証及び当事者間に争いのない前記本願第2発明の要旨によれば、本願第2発明の玩具銃は、分離可能な前部銃体と後部銃体からなり、水発射のメカニズムは、発射する水を導管によって後部銃体に設けたシリンダー室に導いてこれを閉じ込め、この閉じ込めた水に前部銃体と後部銃体の嵌合部分の前部銃体に設けたピストン盤体によって圧力を加えて閉じ込めた水を発射口から噴出させるものであることは明らかである。

そこで、次に引用発明についてみるに、成立に争いのない甲第3号証(引用例)によれば、引用発明は、水鉄砲玩具に関する考案であり、その実用新案登録請求の範囲には、「握手部1を有する本体2に水管3を挿着して可撓管4の接続部5を前記本体2の背側に形成し、該接続部5に相対して本体2に設けた弁孔6を塞ぐ弁片7の一端を本体2に取付け、前記水管3に挿入した操作管3には弁片10を有する密閉部材9を取付け、密閉部材9には前記弁片10によって開閉する連絡孔11を設け、さらに操作管8と水管3とをパツキング12により密閉したことを特徴とする水鉄砲玩具」との記載(明細書1頁4行ないし12行)があり、さらに、考案の詳細な説明の欄には、「この考案は、本体の先に挿着した操作管を前後に進退運動させることによつて、操作管の先のノズルから水を噴射させるようにしたもので、操作管の摺動運動を繰返し行なうことによつて水は連続して噴出できる水鉄砲玩具に係るものである。」(1頁末行ないし2頁4行)、「本体2に水管3を挿着して可撓管4の接続部5を前記本体2の背側に形成し、該接続部5に相対して本体2に設けた弁孔6を塞ぐ弁片7の一端を本体2に取付け、前記水管3に挿入した操作管8には弁片10を有する密閉部材9を取付け、密閉部材9には前記弁片10によって開閉する連絡孔11を設け、さらに操作管8と水管3とをパツキング12により密閉したことを特徴とする水鉄砲玩具の構造を要旨とするものである。」(2頁5行ないし14行)、「この考案は以上の構成であるから、操作管8を突出方向に摺動させると弁片7は開いて空気と一緒に水を水管内に吸引させる。次に逆方向に操作管を押込むと、弁片7は閉じ、弁片10は開いて水管内の水を操作管の先端ノズルより噴出させることができる。」(3頁3行ないし8行)との各記載があり、第1ないし第3図には引用発明の実施例に関する構成が図示されていることが認められる。以上の各記載によれば、引用発明の玩具銃体は、水管を挿着した本体と、この本体と分離可能な前記水管内に前進後退自在に内嵌される操作管とからなり、操作管の先端に水を噴出するノズルを、また、操作管が本体と嵌合する部分の操作管に弁片を有する密閉部材を設け、さらに水管の後部に可撓管を設けて銃体後部への導管とした水鉄砲玩具が記載されているところ、上記の各記載によれば、玩具銃体からの水噴出のメカニズムは、水管内に導管で水を導き、この水を水管内に閉じ込め、この閉じ込めた水に操作管と本体が嵌合する部分の操作管に設けた弁片を有する密閉部材によって圧力を加えて閉じ込めた水をノズルから噴出させるものであることは明らかである。

そこで、以上の両発明と対比すると、両者の水発射の前記各メカニズムからみて、本願第2発明の前部銃体、後部銃体、発射口、ピストン盤体、シリンダー室、シリンダー室後部の管は、それぞれ引用発明の操作管、本体、ノズル、弁片を有する密閉部材、水管、可撓管に相当することは明らかであるから、両者は、共に水鉄砲玩具銃体であり、「玩具銃銃体(引用発明は水鉄砲玩具銃体、以下、括弧内は引用発明のものを示す。)を前部銃体(操作管)と後部銃体(本体)に分ち、前部銃体(操作管)を後部銃体(本体)へ内嵌して前進後退自在にし該嵌合部分前部銃体(操作管)ヘピストン盤体(弁体を有する密閉部材)を設け、後部銃体(本体)ヘシリンダー室(水管)を設けて両者を嵌合し、且つ前記前部銃体(操作管)、後部銃体(本体)と共に前進後退自在にし前記シリンダー室(水管)の後部の管(可撓管)を設けて銃体後部への導管としたことを特徴としてなる玩具銃(水鉄砲玩具)。」の点で一致するとした審決の認定に誤りはない。

したがって、取消事由1は理由がない。

(2)  取消事由2について

原告は、本願第2発明の発射口(ノズル)を、前部銃体と後部銃体の嵌合部分に設ける構成は、引用発明の操作管の先に発射口を設ける構成に比べ、少量の水に至るまで水圧損失なく良好な水発射を可能とする結果、水の飛ぶ距離において格段の威力を有するところ、審決はこの顕著な作用効果の差異を看過しているなどと主張する。

そこでこの点を検討するに、まず、水圧損失の点についてみると、本願第2発明における水の発射は、前記のとおり、シリンダー室に閉じ込めた水に、前部銃体又は後部銃体を後退又は前進させて摺動移動させることにより、前部銃体に設けられたピストン盤体で圧力を加えて閉じ込めた水を発射口から噴出せしめるものである。これに対し、引用発明における水の発射は、前記認定のとおり、水管内に閉じ込めた水に、操作管又は本体を後退又は前進させて摺動移動させることにより、操作管に設けられた弁体を有する密閉部材で圧力を加えて発射口から閉じ込めた水を噴出せしめるものであることが明らかである。そして、引用発明の水管、操作管、本体、弁体を有する密閉部材がそれぞれ本願第2発明のシリンダー室、前部銃体、後部銃体、ピストン盤体に相当することは既に説示したとおりであるから、以上からすると、両者の水発射の構造は、発射口の位置には差異はあるが(この点は、審決が相違点として指摘しているところである。)、上記の各部材から構成される密閉構造の点からみて同一であるというべきであり、したがって、密閉構造が同一である以上、両者の水圧力に差異はないはずであり、本件全証拠を検討しても、引用発明においてのみ水圧損失が生ずることを窺わせる証拠はない。また、原告は、引用発明の細長い管8(前記操作管8を指すことは明らかである。)は、当然に強度が弱く、まっすぐな水発射を困難にすることは当然であると主張するが、本件全証拠を検討しても、操作管8の強度が弱いとの事実を認めるに足りる証拠はないから、この点も採用できない。さらに、成立に争いのない甲第2号証(本願明細書)には、本願第2発明の効果に関して、「また水等の発射物21を最後の小量に到るまで発射し得ることにより、第4図図示第3発明実施例の如く前部銃体1後部に発射口3aとピストン盤体5を設け後部銃体2のシリンダー室4内深く嵌入し得る構成発明と共に在来品構成にない優れた効果を持っものである。」(3頁左下欄10行ないし15行)との記載が認められるところであり、この記載によれば、本願第2発明の奏する効果として、水を最後の小量に到るまで発射せしめることを可能とする点が認められるところ、かかる効果は、前記認定の本願第2発明の水発射の構造に照らすと、前部銃体と後部銃体の嵌合部分の前部銃体に発射口とピストン盤体を設ける構成を採用したことによるものであると認められる。もっとも、この構成においても、前記嵌合部分に設ける発射口とピストン盤体との間の空間に応じた量の水が残存することもまた上記の水発射の構造自体から明らかであり、前掲甲第2号証の本願第2発明の特許請求の範囲をみても、上記の空間を前記の嵌合部分とする以上に限定した記載は認められない。これに対し、引用発明の前記認定の水発射構造によると、同発明においては、操作管の先端にノズルを設けると共に、操作管内の空間及び弁片を有する密閉部材の前方に操作管と水管との間に発射する水を閉じ込める空間とを設けているため、これらの空間内に水が残存することとなるものと認められる。以上によれば、確かに、原告主張のように、両発明は、ピストン盤体と弁片を有する密閉部材の後退運動において、最後まで発射可能な水の量に差異が生ずるものということが可能である。

そこでこの点の差異についてみるに、前記のような各構成の違いにより、かかる差異が生ずることは当業者であれば、前記の各発明における水発射の構造自体から容易に理解の可能な程度の事柄であることからすると、発射口の位置をいかなる場所に設けるかといった程度の問題は、当業者が容易に想到し得る設計上の問題といって差し支えがないというべきである。したがって、上記の構成の差異に基づく効果をもって、当業者が予測し得ない効果であるとすることは困難といわざるを得ない。なお、付言にするに、本願第2発明は、従来の玩具銃の引き金作動操作が1本の手指長さに制約されていた点の解決を主要な課題(目的)とし、この課題を解決するために特許請求の範囲(3)記載の構成を採択し、もって引き金作動操作を自在に行うことを可能ならしめたものであることは、前記2に認定したとおりである。しかるところ、既にみたように、引用発明も上記と同一の課題について、本願第2発明と同一の構成を採用している以上、この構成に基づく本願第2発明の主たる効果を顕著な効果とすることができないことは当然であり、そして、前掲甲第2号証を精査しても、引用発明から予測し得ない本願第2発明の奏する顕著な効果を認めるに足りる記載は見いだし得ないというべきである。

したがって、本願第2発明と引用発明との目的効果に格別の差異は認められないから、両者の構成上の相違点は当業者の容易に思いつく設計の問題にすぎない、とした審決の判断に誤りはなく、取消事由2も理由がない。

3  よって、本訴請求は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条、民事訴訟法89条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 竹田稔 裁判官 関野杜滋子 裁判官 田中信義)

別紙図面1

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別紙図面2

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